2017/07/24

フィレンツェ・メディチ家礼拝堂

君主の礼拝堂 ドーム内部の装飾

Ciao!
今回は、フィレンツェのメディチ家礼拝堂に行った時のことだよ。

メディチ家は、14世紀に銀行業で財を成した一族で、15世紀にコジモ・デ・メディチさんが政権を握ってから、フィレンツェで影響力を持つようになったんだ。

当時のお金持ちは芸術にも造詣が深いっていうのが常だったから、彼らもフィレンツェの芸術家の後援者(パトロン)として、多くの芸術家を支援したんだ。

僕らの時代は、コジモさんの孫のロレンツォさんの代。この人も芸術家との付き合いが深くて、ボッティチェリさんとも仲が良かったんだよ。

前回話したミケランジェロさんが入った彫刻学校も、ロレンツォさんが作ったんだ。ミケランジェロさんは気に入られてて、住み込みで彫刻を学んだとか。

そんなセレブで芸術にはちょっとうるさい一族の作った礼拝堂がメディチ家礼拝堂。中にはミケランジェロさんの作品もあるよ。


新聖具室でミケランジェロさん作の昼と夜を見よう

ミケランジェロさんが56歳のときに完成させたのがこのお墓。


ミケランジェロ、昼と夜
左が夜で右が昼。
中央上はジュリア―ノさん。

お墓の主はロレンツォさんのところの三男坊ジュリアーノさん。彼は家柄的には政界の人なんだけど、全然政治家っぽくなかったなぁ。

むしろ文芸人で、芸術家の仲間も多かったんだ。僕とも結構仲が良くて、肖像画を描いたこともあったんだよ。


ジュリアーノ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチの肖像、ラファエロ
ジュリアーノ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチの肖像
by僕

彼のお墓を飾る彫刻「昼」と「夜」は後進の芸術家にも多大な影響を与えた作品だよ。


夕暮れと曙も忘れずに!

ジュリアーノさんのお墓の前にあるのが、ロレンツォ・ディ・ピエロ・デ・メディチさんのお墓。


ミケランジェロ、曙と夕暮れ
左が夕暮れ、右が曙
中央上はロレンツォ・ディ・ピエロ・デ・メディチさん

彼は、ロレンツォさんの長男ピエロさんの息子。ジュリアーノさんの甥っ子に当たるよ。


まぼろしの地下通路

1976年には、二つのお墓のある新聖具室の下に地下通路発見されたんだ。なんと、その壁面にはミケランジェロさんの絵(ドローイング)が残ってたの!

現在、この地下通路は一般公開はされて無いんだけど、一部の絵は新聖具室で見ることができるよ。(本物を切り出したものなのか、レプリカかは不明)


ミケランジェロ、ドローイング、メディチ家礼拝堂
地下通路の壁面にあったミケランジェロさんのドローイング

ちなみに、地下通路はまた公開されるのかを職員さんに聞いてみたところ、「未来永劫ありません」との絶望的なお答えをいただいたよ。

実は君主の礼拝堂がメインだったりする

これまで、新聖具室を見てきたけど、実は建物の中心は「君主の礼拝堂」と呼ばれる美しいドームを持つ礼拝堂なんだ。


美しく装飾された床面
壁面は補修工事中だったよ

全ての床と壁は美しい石で彩られていて、この一部屋を作るのに費やしたお金と労力を考えると目が回るほど。

そして、見上げるとこれまた美しいドームの装飾に目が回る~。(ページ最上部)

悔しいから、どっかに安物の材料を使ってないか探しちゃったw
中央祭壇の下の部分は、
木材に色大理石風の彩色をした偽物でした。

さてと、今回は、ここまで。
では、またね。Ciao!


アクセス