今回は、オランダの伝統衣装について考察していくよ。
オランダの面積は九州くらい、人口は東京都と神奈川県を合わせたよりも少ないけど、文化の多様性はなかなかのもの。
伝統的な文化についても地域特性がかなり強いんだ。全国的な民族衣装もなくて、地域ごとの伝統衣装にもかなりの多様性があるんだよ。
今回は、アムステルダムにある伝統衣装博物館(Het Klederdracht Museum)で紹介されてる伝統衣装を中心に紹介していくよ。
【伝統衣装博物館アクセス】
Het Klederdracht Museum(Dutch Costume Museum)
住所:Herengracht 427, 1017 BR Amsterdam, Netherlands
公式サイト
ミュージアムカード使用不可
オランダの伝統衣装で一番有名なのは、下の写真の女の子の様な白いレースのボンネットや三角形の帽子とエプロンの姿だと思うんだけど、
オランダのお土産物屋さんでよく見る置物 |
このファッションはアムステルダムのある北ホラント州でよくみられるタイプの伝統衣装なんだ。
ただ、同じ北ホラント州に属していても、村独自の伝統衣装がある場所もあるから、上の置物の服装が一概に北ホラントの伝統衣装と言い切れないのも難しいところ。
例えば、アムステルダムから遠くないマルケンという漁村の伝統衣装はかなり異国情緒あふれるデザイン。
マルケンの伝統衣装 |
カラフルな衣装には、外国の布地がふんだんに使われているんだって。
マルケンの伝統衣装 エプロンの胸当て部分は外国との交易で手に入れた布地が 使われてるんだって |
伝統衣装というと地域の織物を使って仕立てられていると思うかもしれないけど、交易国オランダにあっては、伝統衣装の生地として外国の織物を使っていることもしばしば。
一方で、Made in 地元にこだわる地域もあるよ。
オーバーライセル州のスタッポールストでは、黒い布地を地元で染めてカラフルな模様をつけているよ。
スタッポールストの女性用の帽子 釘などで作ったスタンプを押して模様を作る |
スタッポールトの女性用胸当て スタンプの模様はかなり複雑で細かい |
デザインが飛びぬけてユニークなのは、ユトレヒト州のスパーケンブルグの伝統衣装。この町では、なぜか胸当てがハードな感じに進化。
スパーケンブルグの伝統衣装 90年代のバブル期を彷彿とさせる・・・かも |
肩にかけるタイプのカバンは 使うのはあきらめた方がよさそうなデザイン |
オランダ北部のフリースラント州の田舎(フリースラント在住の人、ごめんなさい)で、際立つファッショナブルさを見せているのがヒンデローペン。
この街はかつてアムステルダムの商船のオーナーたちと強いコネクションを持っていたことから、アムステルダムに向かう船の寄港地だったんだって。
そのため、ここでも外国産の布地をたっぷりと使った伝統が着られていたんだよ。
ヒンデローペンの伝統衣装 |
これまで紹介してきたオランダの伝統衣装は今やほぼ越滅危惧種。
村ごとの伝統衣装だから着る人の母数が少ないうえに、現代ではみんなが洋服を着るので、伝統衣装の文化は風前の灯火なんだって。
そんな中で、今も伝統衣装が比較的よく着られている地域がオランダ南西部のゼーランド州。
ゼーランド州の伝統衣装 |
細かいデザインは街によって違いはあるものの、大きな帽子、金色のヘアアクセサリー、サンゴのネックレスがトレードマーク。
男性の服が地味というのは 全国的に共通してる(笑) |
さすがに日常的に来ている人はかなり減っているけど、お祭りの時にはまだまだ出番があるみたい。
ゼーランド州フェーレのお祭りにて 伝統菓子ボーテルバベラースを作る様子 |
さて、伝統衣装の考察はこれでおしまい。
それじゃあね。Ciao!
twitter:らふぁえろ@raphael_act