2017/08/29

カール・シュピッツヴェークを巡る南ドイツの旅

Ciao!

先週、カール・シュピッツヴェークの作品を見ながら南ドイツを巡る旅をしてきたよ。

シュピッツヴェークさんは、19世紀ドイツの画家。赤い団子鼻がトレードマーク。※追記:↓僕のメモが間違ってて、この絵は自画像じゃなかった!


自画像
帽子をかぶった男性

日本ではあまり人気がないけど僕の好きな画家の一人なんだ。画風はジブリ作品にも通じる雰囲気があるから、日本でももっと人気が出てもいいと思うんだけどな。

そんなシュピッツヴェークさんの絵を一言で言うと、リアリティある空想。たとえば、この作品を見てみて。


The butterfly hunter, Museum Wiesbaden

パッと見てファンタジーの世界だとわかる反面、表情や背景の様子からこの探検家が深い森に分け入り、やっとのことで探し求めていた蝶を見つけたんだなってわかるでしょ?


バロックとはまた違った印象的なシーン作りが得意な人なの。

この記事を通して、シュピッツヴェークさんのファンが一人でも増えると嬉しいな。

さて、今回の旅で巡ったのは、フランクフルトのシュテーデル美術館(Städel)、シュヴァインフルトのゲオルク・シェーファー美術館(Georg Schäfer)、ミュンヘンのノイエ・ピナコテーク(Neue Pinakothek)とレンバッハハウス美術館(Lenbachhaus)。



詳細な美術館の情報はまた別の機会に書くとして、今回はシュピッツヴェーク作品に焦点を当てて紹介していくよ。


1.シュテーデル美術館

まず最初に行ったのはフランクフルトのシュテーデル美術館。ここでのシュピッツヴェークさんの作品はそんなに多くないんだけど、2作品を楽しむことができたよ。


隠れ家の前の隠者


バラ愛好家

2作品目はバラ愛好家だけど、シュピッツヴェークさん自身は、サボテンと多肉愛好家だったみたい。

【追記】
バラ愛好家は、僕ん写真だと暗くて見えないし、実物の置いてある部屋もすごく暗くて全然気づかなかったんだけど、実は明るい場所で見ると陰にいちゃついてるカップルがいるんだって。


明るくした拡大写真がこちら

だから、この「バラ愛好家」はバラを楽しんでるふりをして、2人の様子を覗き見てるんじゃないかって説もあるらしい(笑)とんだ愛好家だね。


2.ゲオルク・シェーファー美術館

と、言うことで2館目の美術館は、ゲオルク・シェーファー美術館。

フランクフルトとミュンヘンのちょうど真ん中くらいにあるシュヴェインフルトという小さな町にある美術館なんだ。

美術館自体も決して大きくはないんだけど、なんと、シュピッツヴェーク作品の所蔵数が世界最大!まあ、彼の人気が世界レベルじゃないってことなんだろうけど(笑)

今回の訪問時もシュピッツヴェーク作品が中心の企画展中だったよ。

Carl Spitzweg und Johann Baptist Pflugという企画展開催中

内容は、半分以上シュピッツヴェークさんの作品(笑)まあ、とにかく見ていこう。

お祝いの花束
Gratulant überreicht blumenbouquet

影から覗き見る女性が「家政婦は見た」みたい!
「むむ?なになに?」


ラブレター傍受!
Der abgefangene liebesbrief

手紙を見て驚いている女性は、大きな十字架を掛けているから、修道院から来た家庭教師かな。タイトルから察するに、うぶな先生が生徒に届いたこのラブレターを見て、「不純異性交遊でないか確認します!」とか言って中身を開けちゃうんだろうな。



本の虫

Der bücherwurm

品のいい紳士なんだけど、足に本を挟んでる!本を夢中で読み漁る、まさに本の虫。
ギュッ


地質学者
Der geologe

黒曜石の石器を見つけた時の相沢忠洋もこんな感じだったのかな?と思ってしまう。
「日本にも旧石器時代があったんだ!」的なかんじ?

さてここからは、シュピッツヴェークさんのサボテン・多肉愛の爆発をご覧ください。

あやしい煙
Verdächtiger rauch

サボテンの友
Der kaktusfreund
 植物は話しかけるとよく育つって本当なのかな?

サボテンが赤い花をつけたから急いでおいでって
ミスチルのみなさんに催促しなきゃ!


サボテン愛好家
Der kaktusliebhaber

この赤い団子鼻の男性は・・・シュピッツヴェークさん本人だよね。 ではないんだけど、上で紹介した帽子の男性と同じモデルかもね。

本人登場

油絵のほかに、スケッチと下絵も展示されてたんだけど、まさにジブリアニメの絵コンテや設定画みたいだったよ!


3.レンバッハハウス美術館
さて、
次に訪れたのは、ミュンヘンのレンバッハ美術館。

この美術館には6作品があるらしいんだけど見つからないから、展示室のセキュリティースタッフに聞いたら、なんと一緒に探してくれたよ!

だけど結局見つからず、仕方がないので他の作品を見ていたらさっきの警備員さんが超笑顔で「見っつけたよ~♪」と探してきてくれた作品がこちら。(僕と別れた後も探してくれてたんだ。感動)

Ausruhende spaziergänger(休憩中の散歩の人)

全く知らない作品だけど、とにかくシュッピッツヴェーグさんの作品!それが大事!そして見つけてくれた警備員さんに感謝だね。


お目当ての「幼馴染」は見れなかったんだけど(2017年8月現在)、少しでも収穫があってよかったよ。


見たかった作品 Jugendfreunde


4.ノイエ・ピナコテーク

この絵画館にも複数の作品が展示されているよ。

貧乏詩人
僕がシュッピッツヴェーグさんを好きになったのは、そもそもこの「貧乏詩人」を見たことがきっかけなんだ。

貧乏アパートの象徴である屋根裏の部屋で、壊れた傘で雨漏りをしのぎつつ、寝ても覚めても詩のことを考えている詩人さん。

今もちょうど音数を数えているところだし、ベットの横の本からは、小さな部屋で大きな本を広げて獺祭してる光景が思い浮かぶよね。

暖炉には薪ではなく新聞紙がくべられているところにも、薪より読み物にお金を使ってしまう文学者の性分がにじみ出てる。

この考え抜かれた設定と果て無い想像力に魅せられて、僕は彼の作品が好きになったんだ。

他の作品も世界観がしっかりしていて、見たことがない情景にもかかわらず「きっと本物もこうなんだろうな」っていう気持ちにさせてくれるんだ。
夜警

修道院学校の遠足

隠者を訪れる修道僧
さて、シュピッツヴェーク作品を巡る旅はこれでおしまい。彼の良さが少しでも伝わればうれしいよ。

それでは、またね。Ciao!