街中の給水所。命の水! |
夏のローマはとにかく暑い!ローマの街中には、いろんなところに給水所があるから、小まめに水分補給をしながら歩いてね。
さて、今回のベルニーニ☆ラリーは、バルベリーニ広場の弐つの噴水だよ。
チェックポイント2:バルベリーニ広場
ベルニーニさん関連の見どころが多いからぜひ訪れてほしいが、バルベリーニ広場とその周辺。
トリトーネの噴水
♪水~平~線の終わりには あぁぁ~♪虹~の は~しが あるのだろ~
トリトンといえば、昔懐かしのアニメ「海のトリトン」のイメージしかなかった中の人。
そんな中の人がぁ~
バルベリー広場で~
トリトーネにぃ~
であったぁぁ~
(世界ウルルン滞在記より)
はい、うざくてごめんね。しかも古いしね。
そんな感じで、僕らを広場で迎えてくれたのがトリトーネの噴水。
ベルニーニ、トリトーネの噴水 イメージとだいぶ違うトリトンがそこに。 |
水が抜かれてて、からっからだったのが残念だったよ。
水のない状態で横から見ると、正座して一気飲みしてるみたい |
水をたたえた状態がこちら。
この作品は、ベルニーニさんの噴水作品の中では一番最初のもので、45歳の頃の作品だよ。(その前にお父さんとの合作はあるけどね)
ベルニーニとウルバヌス8世
当時のベルニーニさんのパトロンは、時の教皇ウルバヌス8世。噴水にはその紋章である蜂の意匠も彫られているよ。
蜂はバルベリーニ家の紋章。
その上の教皇冠と聖ペテロの鍵は教皇を示す紋章。
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ウルバヌスさんは広場の名前にもなっているバルベリーニ家の出身。ローマの名家、高貴な血筋なんだって。
若いころからベルニーニさんを支持してきたウルバヌスさんだけど、この噴水が完成した翌年1644年に亡くなってしまうんだ。
前回も書いたけど、さかのぼること3年前には、ベルニーニさんが設計した鐘楼にひびが見つかって、彼の実力に対して悪い評判が立ち始めていた。
彼は同時期に、後ろ盾と信用の両方を失ってしまい、一旦バチカンから遠ざかることになる。いわゆる干されるってやつだね。
最終的には、自分を支持してくれる教皇に巡り合って、また戻ってるんだけどね。それはまた、別のお話。
蜂の噴水
広場の端(ヴェネト通りの入り口あたり)には、ベルニーニさんのもう一つの作品「蜂の噴水」もあるよ。ベルニーニ、蜂の噴水 1644年46歳の作品 |
トリトーネに比べるとずいぶんとシンプルなこの噴水は、もともとは馬の水飲み場として考案されたものなんだって。だから、水盤が広いんだね。
貝殻の碑文には「ウルバヌス8世教皇 ー以前にもパブリック・オーナメントとして市民向けの噴水を作ったー はこれを皆が使える公共施設として建てる 1644年任期21年目」と彫られているよ。
(以前に作った噴水っていうのは、トリトーネの噴水のことね。)
ウルバヌスさんが作らせたから、彼のトレードマークの蜂の飾りがついてる訳さ。
さて、この碑文はウルバヌスさん自身が考えたもので、原文では「任期22年目」となってたんだけど、彼は任期20年と358日で亡くなっちゃったから(惜しい!)、21年目として碑に刻まれることになったんだって。
ところで、この噴水は馬の水のみ場だったって言ったじゃない?じゃあこのラテン語の碑文はいったい誰が読むんだろう?
これぞまさに、「馬の耳に念仏」ならぬ「馬の目にラテン語」だね。え?全然面白くないって?
さて、広場からほど近い場所にはバルベリーニ宮殿もあって、今は美術館になっているよ。ベルニーニさんはこの建物の設計にもかかわったんだって。美術館には彼の作品がいくつかと、僕の作品もちょこっとあるから見に来てね。
La Fornarina by僕 僕の最愛の人。今見ても切なくなっちゃう。 |
バルベリーニ広場へのアクセス
メトロA線 Barbenini駅下車すぐバルベリーニ美術館へのアクセス
広場からQuattro Fontane通りにでて、徒歩すぐ開館時間:8:00~19:00
休館日:月曜日、1/1、5/1、12/25
webサイト:http://www.barberinicorsini.org/en/
地図はページの一番下
それでは、今日はこのへんで!Ciao!
【参考文献】
Daniele Pinton, Bernini English version(ATS 2009)