Cioa!
今回は、バイエルンの小都市シュヴェインフルト(Schweinfurt)にあるゲオルク・シェーファー美術館の訪問記だよ。
シュヴェインフルトは小さい街だから僕の愛読書『地球の歩き方』にも載ってないんだけど、行き方は簡単。ロマンティック街道の起点となるヴュルツブルクから電車で40分くらいだよ。
アクセスと概要
公式ウェブサイト
駅はSchweinfurt中央駅よりも、Schweinfurt Stadtの方が近いよ。
最寄りのSchweinfurt Stadt駅 |
駅から川沿いの遊歩道を歩いて10分ほどで 美術館が見える(階段の奥の白い建物) |
この美術館は、以前に紹介したカール・シュピッツヴェークさんの世界最大級のコレクションがあるんだ。(彼の人気が世界規模じゃないから、この美術館が世界一になってるだけだと思うんだけどね。)
今回の訪問時(2017年8月)は、カール・シュピッツヴェークとヨハン・バプティスト・フループ展をやってたよ。
ヨハンさんのことは、この展覧会で初めて知ったんだけど、彼もシュピッツヴェークさんと同じドイツの風俗画家なんだって。
妻テレジアとの自画像 |
彼は結構苦労人で、小学校を出たあと教会で働きながら勉強を続け、神父さんから絵の腕前を見込まれて教会画家になったのがキャリアの始まり。
成人後にミュンヘンの美術アカデミーに入り、30歳前に風俗画家に転向。学校の先生をしながら、19世紀のドイツの日常を描き続けた人なんだ。
一方で今回の旅の目的でもあったシュピッツヴェークさんは、ヨハンさんより20歳以上下の世代。
自画像 |
彼の家は裕福な商家だったから、働きながら学ぶなんてことはしなくてよかったんだけど、名家の男子の宿命として「それなりの仕事」に就くことをご両親は期待してたみたい。
だから彼は大学を出て薬剤師として働き始めるんだ。でも、絵への情熱は若いころからずっとあったみたいで、社会人になってからも独学で絵を描いてたんだって。
そして、自身の病気や父親の死をきっかけに、薬剤師を辞めて画家になったのが25歳の時。
アカデミーに入ることはせず、ヨーロッパ諸国を遊学しながら歴代の画家たちの作品から様式とテクニックを学んでいったんだ。
2人の作品を比べてみると、ヨハンさんの方が若干真面目な画風で、テーマも現実的。
ビーべラッハの歳市 |
オッゲルスハウゼン・アム・フェーダーゼーの市 |
übergang der württembergischen truppen über den Rhein bei kehl im jahr |
一方でシュピッツヴェークさんは空想風俗画(?)がメイン。
肖像画家 |
熱帯の自然探検家 |
最愛のモノ |
どちらもほぼ同じ時代に描かれたドイツの風俗画だけど、やっぱり個性って、絵ににじみ出るもんだね。
さて、この美術館は常設展もなかなか面白かったよ。19世紀以降のドイツ絵画中心なんだ。
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 愛を聞かれる人 |
Johann Peter Hasenclever 邪魔された眠り 夜中の物音に驚いて、武装して下りていくと・・・ |
にゃんこだった(笑) |
ハンス・マカルト、フィレンツェの疫病神(疫病?) |
マックス・スレーフォークト、ハンターに扮した自画像 ジャン・レノにしか見えない |
ヨハン・フリードリヒ・オーファーベック、イタリアとドイツ ここでもナザレ派に出会えた! |
さらに、1階のカフェは天井が高くて窓が広くて、僕の好みな雰囲気。
シュヴェインフルトの街は小さいぶん観光客も少なくて、ドイツの田舎ののんびりした雰囲気が残ってるよ。
美術館だけ行くのはもったいないから、街の中央広場の案内所でウォーキング・マップをもらって散策するのもいいかも。
街の教会の祭壇画はかなりの個性派 |
それでは、今回はここまで。Ciao!
twitter:らふぁえろ@raphael_act